
ぼくはティーダ
やっとおばあさんが借りてるバイク置き場に帰ってこれて
ぼくはゆっくりいろんなことを考えながらおばあさんが来るのを待っている
こないだここで寝てるオートバイたちに聞かれたぼくの行きたいところ
ぼくを褒めてくれた神さまのいる太白山ていう小さな山の神社のことを毎日思い出す
神さまがぼくに言った
いっぱい旅をしていろんな人に光を当ててあげなさいっていう言葉を毎日考えてる
どうすればいいのかな

太陽の光が当たるとぼくもキラキラ光るから人にその光を見てもらうといいのかな
でも今日、ぼくは何となくわかった気がした
ちょっとだけ遠くのちょっと厳しい神さまのいるおばあさんが大好きな温泉に初めてぼくと行った時
温泉から出てきたおばあさんの後ろからもっと年上のおばあさんが着いてきて
ねえバイクでしょ?これからどこに行くの?って
嬉しそうににこにこしてぼくのおばあさんに一生懸命話しかけてたんだ
そしてぼくを見てにこにこ手を振って帰って行った
それから今度は首に白いタオルをかけたおじいさんがぼくとおばあさんが立ってるとこに通りかかって
お、バイクだなって、嬉しそうにぼくをじろじろ見ながらにこにこして歩いて行った
それから軽トラに乗って前を通りかかってにこにこしながら、気をつけてなって窓から顔出して大きい声で言って走って行った
それから今度は、ぼくのおばあさんよりちょっと年上っぽいおばあさん2人やってきて、ぼくをジーッと見つめてた
それからぼくのおばあさんに話しかけた
バイクなのね、すごいね~気をつけてね~ってやっぱりにこにこして帰って行った
ぼくね何かわかったんだ
ぼくとおばあさんを見た人はよくわかんないけど何か嬉しくなってにこにこしちゃうのかなって
光を当てるってそういうことかなって
何だかわかんないけど嬉しくなってにこにこしちゃうのがそういうことなのかなって
ぼくのおばあさんは、皆に話しかけられるたびに自分もおばあさんだけどって言い訳してたけどやっぱり何だか嬉しそうだった

ぼく眠くなっちゃった
だって風が気持ちいいんだもん
暑くもないし寒くもないしちょうど良くて
早くおばあさん来ないかな
今度はどこに行くのかな
今度はどんな人がにこにこするのかな
小さい山の神さまのとこに行けたら聞いてみるんだ
ぼくの考えてること当たりですか?って
もう寝るね

おわり